認知症と絵画

Human Head with Brain Activity

Keikoです。

ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

実は私は今月、某研究所の認知機能

調査の仕事に携わっています。

 

ご高齢の方の運動機能や認知機能

(記銘・計算・情報処理・見当識・

書写・読解・理解)などを調査しています。

 

85歳の方で記憶力のよい方、77歳の方で

これは小説?というほどの素晴らしい文章を

書く方など、頭の健康度が高い方が

多数いらっしゃり、人生の模範

となる先輩方と接する機会を得て幸せを

感じております。

 

私がこのような認知機能の仕事に

従事するきっかけとなったのは、

認知症で亡くなった義父の存在が

大きいです。

 

この話は別途でするとしまして、

本日は「認知機能と絵を描くことに

ついて」について書いていきます。

 

厚生労働省の統計によりますと2018年

時点で約7人に一人が認知症だそうです。

 

目次

認知症とは

 

認知症とは、認知機能が後天的な

脳の障害によって持続的に低下して、

日常生活や社会生活に支障をきたす

ようになった状態を指します。

 

認知症では、物を覚えられない、

今までできていたことができなくなる

といった認知機能の低下による症状の他に、

 

怒りっぽく攻撃的になる、意味もなく

徘徊はいかいするなどの症状

(認知症の行動・心理症状(BPSD)

とよばれます)もみられます。

 

認知症の原因となる病気にはさまざまな

ものがあります。

 

病気の原因が解明されてなく、根本的な

治療法がない病気もありますが、

現在の医学で治療可能な病気も含まれています。

 

そのため、なるべく早く適切な診断を受け

治療方針をたてることが大切です。

 

認知症の種類

 

アルツハイマー病

アルツハイマー病は、

進行性の病気で、現在の医学では

完全に治療することはできません。

 

現れる症状としては、もの忘れがひどくなる

記憶障害や、時間や場所がわからなくなる

見当識障害、電化製品が上手く使えないなど

の実行機能障害、物盗られ妄想などがよく

あげられます。

 

アルツハイマー病の原因はまだ完全には

解明されていません。

 

最も有力なのは、脳内に「アミロイドβ」

などの異常なタンパク質が蓄積し、それが

脳の神経細胞の働きを低下させるという見解です。

 

最近の研究では、糖尿病や高脂血症の患者は、

アルツハイマー病のリスクが高いとも報告さ

れています。

 

血管性認知症

血管性認知症は、脳内の血管に障害

(脳梗塞や脳出血)が起きることで、

神経細胞が壊れて発症する病気です。

 

現在では、アルツハイマー病の方に次いで

多い認知症の原因疾患となっています。

 

血栓によって血管が詰まったり(脳梗塞)、

脳の血管が破れて出血してその後遺症が

残ったりすると(脳出血)、その部位や

周辺にある神経細胞が壊れますが、

それが原因で認知症を起こす可能性があるのです。

 

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症の原因となっている

レビー小体病は、記憶障害を中心と

する認知症の症状に加えて、特徴的な症状があります。

 

動作が遅くなって転倒しやすくなる

「パーキンソン症状」や「幻視症状」、

また大声での寝言や体を動かすなどの

レム睡眠行動障害などが該当します。

 

レビー小体が現れる原因については、明らかに

なっていません。

 

レビー小体の特徴である、幻視症状

が出るのは、記憶を司る側頭葉と情報処理

を司る後頭葉の障害が原因だと考えられ

ています。

 

前頭側頭型認知症

 

前頭側頭型認知症は、未解明の部分が多い認知症です。

 

わかっているのは脳内の前頭葉と側頭葉

の萎縮が見られ、他の認知症では現れにくい

特徴的な症状が見られるということです。

 

脳の前頭葉は人格や意欲などに関与し、

側頭葉は記憶や言語などを司る部位です。

萎縮すると、社会性が欠如して万引きなど

の軽犯罪を繰り返したり、意欲がなくなったり

するようになります

 

発症の原因やメカニズムは現在研究が進められ

ているところで、重要なところはまだ不明

ですが、現状の医学では、脳内にある「タウ」

と「TDP-43」というタンパク質が何らかの形

で関与していることがわかっています。

 

ストレスは認知症の原因のひとつ

既存の研究によると、若い頃にうつ病を発症

した人は、アルツハイマー病と血管性認知症の

リスクが高まることがわかっています。

 

生活習慣病と認知症の関係

生活習慣病は脳血管障害を発症しやす

くし、血管性認知症のリスクを高める

こともわかっています。

 

糖尿病はアルツハイマー病の原因となる

タンパク質「タウ」や「アミロイド」の

変質を促進させていると考えられています。

 

糖尿病患者におけるアルツハイマー病の

発症リスクは、健常者の2.1倍になること

は既存の研究によって明らかにされています。

 

適度な運動を生活の中に取り入れることや、

バランスの取れた食生活を心がけて

生活習慣病を予防することが、認知症の

予防にもつながると考えられます。

 

認知症と絵画について

(花曼荼羅アート クレマチス/mandaramariさんプレート使用)

日本神経学会が監修した

「認知症疾患治療ガイドライン2010」

では、音楽や芸術などによる認知症の改善は

十分に証明されていないが、

脳の活性化で意欲や学習能力が向上する

可能性が期待できて効果は、否定できないとしています。

 

物忘れなどの記憶低下を改善するのは難しく

ても、暴言などの症状の発症を抑える効果が、

絵画にはあるのではないでしょうか。

 

健康は食事と運動と休養とよく言われますが、

心の健康は絵画や音楽などの芸術をたしなむ

ことで、培われるのではないかとも考えられます。

 

絵画のひとつとして、曼荼羅アートを取り

入れていただけましたら幸いです。

 

本日も最後までご覧いただきありがとう

ございました。

 

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